Cruising With Ruben And The Jets ★★★★

Cruising With Ruben & Jets

The Mothers Of Invention / Cruising With Ruben And The Jets

::★★★★::1968c::Verve::pop::rock::
iTMS US

(zappa catalog #5)

オリジナル・マザーズの時代に、ソロ名義を含めてザッパは、1966年から1970年まで9枚のアルバムを発表しましたが、その中で「凡作」があるとすれば唯一この作品のみ。それ以外はすべて傑作です。この作品とて、決して悪い作品ではなく、気軽に楽しめます。趣旨としては、あたかも「ルベーン&ザ・ジェッツ」という別グループが出したかのような体裁にして(実際ジャケにはマザーズの名前は小さくしか印刷されていない)、内容も全曲シンプルなバブルガム・ドゥーワップ・ポップにしてラジオ局をだまして曲をかけさせようという作品。おふざけは一切なく、屈折したアレンジも何も一切ないので、冗談としては逆に一番質の悪いものかもしれません。ただ曲は全曲良いんだな。捨て曲がない。何曲かはデビューアルバムと重なっているけれども、どれもこのアルバムのバージョンの方がポップ度があがっていていい。また、過小評価されがちなリードボーカリスト、レイ・コリンズの甘いボーカルが堪能できるアルバムとしても見逃せません。アルバムが短いのが難点か。

なお、このアルバムも、「We're Only In It For The Money」の最初のCDと同じくリズムセクションさしかえで再発されていますが、曲がストレートでポップなせいかあまり違和感がないというか、いやもちろん、古くからのザッパファンには非常に評判が惡いのですが、ぼくみたいな新しいファンには許せる範囲です。なお、オリジナル・バージョンはまだCD再発されてません。しろっての。 (9/14/02)