You Can't Do That On Stage Anymore vol 5 (Disc 1) ★★★★

You Can't Do That On Stage Anymore - Vol. 5

Frank Zappa / You Can't Do That On Stage Anymore vol 5 (Disc 1)

::★★★★::1992::Rykodisc::pop::rock::
iTMS US

(zappa catalog #58)

1992年に発表された未発表ライブシリーズ、第5弾のDisc 1がまるごとオリジナル・マザーズのレア音源集。これがすごく(・∀・)イイ! ロウウェル・ジョージ在籍時中心‥ということは、マザーズ後期ですね。

いやーやはりオリジナル・マザーズは良い。もう、思いっ切りロウファイな世界。ほとんどゴミのような曲とか入ってるもんね。しかも、モーツァルトのピアノソナタを軽々弾きこなせるメンバーもいるロウファイ。そこがとても愉快愉快。

エロ・テープをバックにながしたパフォーマンス「Right There」、ピアノ・ソナタにバカげたバレエダンス(音しかきこえないけど)をのせた「Mozart Ballet」など、オリジナル・マザーズのライヴのおもしろさがよくつたわってきます。こっちまで楽しくなる。静かで悠然とした金管楽器の響きに、お馴染のコミカルなヴォーカル・パフォーマンス&変則演奏がのる「Charles Ives」は、芸術的でさえあります。

また、このアルバムのもうひとつの目玉は、チープでヘヴィーなブルース・ブギーが何曲も収録されているところ。すましたホワイト・ブルースではなく、どこかいかがわしい、地面にへばり付くようなブルース。で、ローファイ。冒頭の「The Downtown Talent Scout」からすでにカッコいいけど、ロウウェル・ジョージがリード・ヴォーカルをとった(オリジナル・アルバムでは彼がまともにリード・ヴォーカルをとった曲はなかった!)「Here Lies Love」はさらにいい!ザッパのワウワウのギターソロを楽しめる「Baked-Bean Boogie」、いかにもマザーズ的なヘヴィーなグルーヴが気持ちいい「Underground Freak-Out Music」、ロウウェルのギターソロが聴ける(オジリナル・アルバムではなかった!)tr21「No Waiting For The Peanuts To Dissolve」などもブルージーで最高。

そして、なんといっても、Disc 1ラストに収録の「My Guitar Wants To Kill Your Mama」の別テイク・オリジナル・ヴァージョン(スタジオ録音!)。1970年のものとはかなり違う雰囲気のダウン・トゥ・アースな演奏でナイス。こんなにオリジナル・マザーズがブルージーだったとわ!という発見です。

ちゅうわけで、ちょっとコレクターズ・アイテムっぽいところもあるけど、このDisc 1は最高にオモシロイ! (9/16/02)