The Grand Wazoo ★★★★★

The Grand Wazoo

Frank Zappa / The Grand Wazoo

::★★★★★::1972b::Bizarre::pop::rock::
iTMS US

(zappa catalog #16)

「Waka/Jawaka」の路線をおしすすめて完成の域にもっていった作品。未完成な部分があった(そこがよかったんだけど)「Waka/Jawaka」とくらべると、とてもうまく構成されたアルバムで、傑作の名にふさわしい作品。参加ミュージシャンの数もかなり増え、曲によっては20人近いミュージシャンが参加しています。まちがいなくザッパの作品の中でもっともジャズの色が濃いアルバムでしょう。

ミステリアスな雰囲気のヴォーカル曲tr1「For Calvin」に続く、13分におよぶtr2「The Grand Wazoo」はこのアルバムのひとつのハイライトでしょう。軽快なシャッフル調のリズムと風変わりなメロディーにのって、次から次へと即興ソロがひきつがれていくその様は聴いていてとても心地が良いものです。ギターとかもアコースティックな雰囲気で、そこがいいんですよね。80年代以降の(少々人工的な音触りの)ザッパにはない独特のアコースティックが良いんですよねぇ。

続いて、B面1曲目にあたるtr3「Cletus Awreetus-Awrightus」はニューオーリンズ的雰囲気の楽しい小品。ジョージ・デュークのヴォーカル、ピアノがとても良いです。曲としても魅力的です。そして、ドン・プレストンのムーグが活躍するヘヴィーなtr4「Eat That Question」はこのアルバムの第二の山。プレストンの激しいムーグのソロとエイズリー・ダンバーのファンキーでポリリズミックなドラムの絡みはこのアルバム最高の見どころ。で、ラストはタイトル通り美しく静かなtr5「Blessed Relief」で幕を閉じます。実にジャズな曲で、ザッパの曲でももっともオーソドックスな曲かも。

ジャケットも最高の傑作アルバム! (2/9/03)