Waka/Jawaka ★★★★

Waka Jawaka

Frank Zappa / Waka/Jawaka

::★★★★::1972a::Bizarre::pop::rock::
iTMS US

(zappa catalog #15)

ジャケットの中に「Hot Rats」の文字がみえることから、ザッパ自身も意識的に「続Hot Rats」を頭に描いていたことは想像に難くないですね。しかし、インスト中心のジャズ・ロック・アルバムという共通点があるとはいえ、少人数編成でブルース色が強かった「ホット・ラッツ」に対し、「ワカ/ジャワカ」はもう少し多人数編成でジャズ色が強いです。たとえば、A面全部をしめるtr1「Big Swifty」はザッパの代表曲のひとつ。イントロの数分のテーマ・フレーズはとても印象深いものです。インプロヴィゼーション・パートはちょっと長すぎて中だるみがある感じですが、まあ、それもご愛敬。マイルズ・デイヴィスの「Bitches Brew」路線を意識したようなどちらかといえばダウナーな曲。

で、実はぼくはB面が大好きでして、陽気な歌ものブルースブギー、tr2「Your Mouth」もさることながら、次のハワイアン風味の風変わりなアコースティックな曲tr3「It Just Might Be A One Shot Deal」がすごく好きなんです。気だるい女性ヴォーカルもいいし、でも、なにより、スティール・ギターのソロの部分が良いんです。思わずなごんでしまうメロウなスティール・ギターのソロに、流れるようにファンキーなベース&ドラムが心地よいことこのうえなし。ザッパのアコギのバックアップもさわやか。で、間髪入れずラストのtr4「Waka/Jawaka」に続くわけですが、これがまた、ホーンの響きが気もちいい名曲。各楽器のソロパートもリラックスして楽しめます。

決して「大傑作!!」というたぐいのアルバムではありませんが、個人的にはザッパの作品中でももっとも好きなアルバムに入ります。しのごのいわず、摩訶不思議でどこかユーモラスなジャズ・グルーヴにゆったりと身をまかせたい作品。 (2/9/03)