Studio Tan ★★

Studio Tan

Frank Zappa / Studio Tan

::★★::1978::DiscReet::pop::rock::

(zappa catalog #24)

「ザッパの意思に反してワーナーによって発売された三部作」の一作目。実は全曲ルース・アウンダーウッド期(正確にはルース期とボジオ期の境目)のメンバーによるものなので、ボジオ期に入れるのは不適切かもしれませんが、タイミング的にこの時期に発表される予定だったということで、ここで紹介します。

A面全部が物語式の喜劇曲「The Adventures of Greggery Peccary」なんですが、ええと、すんません、ほとんどマジメに聴いたことがありません。だって長いんだもん。台本とにらめっこして内容を解読することもなかったので、この曲に関してはなにも言えません。パス。

で、B面は3曲だけ。なんですが、なんとも中途半端な組合せでありまして。まず、現代音楽色のある小曲tr2「Revised Music For Guitar And Low-Budget Orchestra」はなかなか良いのであります。バンド演奏ですが、「Orchestral Favorites」のような安っぽさはなく、うまく現代音楽的な楽曲をこなしています。tr3は後述するとしてアルバムラストのtr4「RDNZL」はザッパのプログレ・ジャズロックの曲の埋もれた名曲なんですが、このバージョン(オフィシャルに発表された最初のバージョン)はジョージ・デュークのシンセがちょっと時代がかっていることもあってあんま好きでもないです。ジャズロック期とルース期の狭間で録音されたオリジナル(?)バージョンの方が良い(ブート「Serious Music」収録。オフィシャルでは短縮版が「Last Episodes」に)。ま、悪くもないですが。で、この二曲のインストにはさまれるのがtr3「Lemme Take You To The Beach」。ロイ・エストラーダみたいなコミカルな裏声ボーカルの超バカみたいな曲で、笑えるんですがはっきりいって浮いています。

というわけで、全体的に意図不明なアルバム。なんせ、レコード会社が勝手に編集して発売したアルバムですから。つーか、こんなの出したって売れるわけないのに、レコード会社の考えることは意味不明です。 (10/28/06)