Walking With A Panther ★★★★

Walking With a Panther

L.L. Cool J / Walking With A Panther

::★★★★::1989::Def Jam::hip hop::
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ここ10年ぐらいテレビや映画の芸能活動の方が多いぐらいのLL君ですが。このアルバムはぼくが買ったはじめてのヒップホップアルバムなんですよね。あ、ビースティーのファーストの方が先か。でも自分的には、より「黒い」こっちがファースト・ヒップホップなのであります。新宿の服屋でこのアルバムが大音量でかかっていて、カッコイイ!と感動して速攻買った。なんつうか、LLクールJって、今の目からするともちろんオールドスクールなんだけど、しかも古典的な「オレ自慢系」パーティーラップではあるんだけど、でもその中でも、かすかにトンがっていたんだよね、サウンド的にもラップ的にも。リック・ルービンのロック的なサウンドは、どこかダークさもあったし、LLのマシンガンのようなラップは、今の観点からはちょっと直線的すぎて物足りないかもしれないけれどもとにかくテクい&パンキッシュなまでにスピード感があったと思うのよね〜。tr8「Why Do You Think They Call It Dope?」の、おそらくJBズのサンプリングにのせたLLのラップにはウブ(当時)なオレはぶっとびましたよ。アルファベットの読み上げで始まるtr10「It Gets No Rougher」もカッコえがったー。他も全曲カッコいい。このアルバムが出たころは、パブリック・エネミーやNWAなどの台頭でヒップホップがハードコア化しつつあった時期で、「オレ自慢」系だったLLはあまり時流に乗れなくてそれほどヒットしなかったらしいけど、内容はナイス。社会派ではないが、シャープなアルバムであります。 (2/27/05)