Midnite Vultures ★★★★★

Midnite Vultures

Beck / Midnite Vultures

::★★★★★::1999::Geffen::pop::rock::
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Beckといえば人を喰ったような音楽活動が特徴でありますが、この作品はその「人を喰ったような音楽活動」の最高峰と言えるでしょう。とにかくフザケている。てゆうか「フザケすぎ」という否定的意見もかなり存在する作品。ですが、オレ的には最高。最初から最後までファンキーに攻めていて、そりゃもう痛快ですよ。70年代TVコメディー番組の主題歌みたいな(あるいはバカラックカジノ・ロワイヤルみたいな)能天気なホーンで幕を開けるtr1「Sexx Laws」からしてスピード感あふれるポップファンクでカッコいい。サビ前のあたりはビートルズ(ポールマッカートニー系)のパーティーソングっぽくもある。バンジョーも出てくるし、もう滅茶苦茶。万事がこの調子。tr3「Mixed Bizness」の「All right (All right!) / Turn it up now (Turn it up now!)」というファルセットとのかけ合いも最高にゴキゲン(死語)。Midnight Starの「Freak-A-Zoid」みたいなエレクトロ・ディスコへのオマージュ、tr4「Get Real Paid」も笑えます。キワモノっぽいtr5「Hollywood Freaks」もなぜか最高にカッコいい。わりにロックっぽいtr8「Milk and Honey」やtr10「Pressure Zone」あたりも良い! プリンスばりにファルセットで通す(←フザケてんのか?)tr6「Peaches & Cream」、tr11「Debra」も素敵です。後者はジミヘン丸出しでもある。てゆうか捨て曲ないですね、このアルバム。結論としては傑作。ジャケのデザイン担当がなぜかボアダムズの山塚(ヤマンタカ)EYE。このあたりの人選も意味不明でよろしい。 (11/20/04)