Terra 2001 ★★★★

TERRA2001

The Brilliant Green / Terra 2001

::★★★★::2000::SME::pop::rock::jp::
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ブリリアント・グリーンのデビュー作を酷評しましたが、えっと、ごめんなさい、ブリグリをナメすぎてました。けっこう良いです、このセカンドアルバム。まず、冒頭tr1「Bye! My Boy!」のハードでこもった音のファズギターサウンドにびっくり。初期ブラックサバスか、ツェッペリンか、いや、もっと言えばディープ・パープルの「スピード・キング」っぽい汚ないファズギター。この手の70年代ハードロックに実は弱いぼくはここでぐぐっと引きこまれたす。川瀬のボーカルもいつになく「不良」ぶってシャウトしていて、このいきがった感じがかわいらしく、かつアザとくなくてけっこうよろすい。サビあたりになると、まあ、いつものブリグリって感じのメロウさなんだけど、乾いたハードロックサウンドとの対比が新鮮。良いです。「愛の☆愛の星」は、JPopらしい曲ですが、前作の「冷たい花」で聞かれた日本独特の情念のようなものが聞けて良い。というわけでこのアルバムのオープニングはなかなかに強力。なにより、日本語曲を中心に据えたことに好感がもてる。その後、前作のリヴューでは酷評した英詞の曲が続きますが、前作より英語がこなれてそれほど抵抗がない。シェリル・クロウ路線のバラードtr5「Maybe We Could Go Back To Then」はボーカル力不足で今いちだと思うけど、これまたシェリル・クロウっぽい三拍子のアップナンバーtr6「September Rain」なんかは前作にはない境地だと思う。ヴァネッサ・パラディのモノマネかと思われるようなtr7「Funny Girlfriend」が許されるのも楽曲と演奏が良いから。tr1とためをはるブギー曲tr10「Can't Stop Cryin'」もパラディっぽくて個性という点では物足りないけど、レニークラヴィッツよりもずっとヘヴィなサウンドに一気に寄りきられる感じ。そしてヒット曲tr9「そのスピードで」。前作の「Magic Place」に劣らない名曲。リーダー&ベーシストの奥田俊作の作曲能力が冴えます。ラストの(ヒット曲らしい)tr11「長いため息のように」も同路線の曲で良い。というわけで、ところどころ弱いかな(演奏とか歌とか曲とか)と思わせる瞬間もありますが、全体としては非常にハイグレード。前作でナメきっていただけにちょっと驚きました。 (10/21/04)