29 ★★★

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奥田民生 / 29

::★★★::1995::Epic::pop::rock::jp::
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奥田民男のユニコーン解散後、初のソロアルバム‥だよね? ユニコーンのポップさ、華やかさを抑えて、等身大の大人のロックを、という奥田のソロ活動に一貫する姿勢がこのアルバムですでに完成しています。ただ、個人的に苦手な、ユニコーン時代からずっと存在する奥田の「ほら、おもしろいでしょこういうの。分かっててやってんのよ」的スタンスがちょっと鼻につくところがあってのめりこめない。ユニコーンと違うことをやろうという気負いが大きかったのかもしれない。悪くないんだけど‥。tr2「ハネムーン」の逆説的?恋愛歌もなんとなくそらぞらしくきこえるし、「30才」「これは歌だ」「人間」「奥田民男愛のテーマ」など、タイトルだけで、「違うことをやってみるぜ!」臭がただよってきて、オレ的にとっつきにくい‥。神戸牛をグラマーなギャルになぞらえたロケンロー、tr9「BEEF」も、おもしろいと思うより引いてしまう気持ちがある。曲やサウンド、アレンジは、ユニコーンではあまり出せなかったアーシーな70年代アメリカンロックへのオマージュが満ち満ちていて、奥田のソロ作のなかでもとりわけ「そのまんま」色が強いです。良くも悪くも。 (8/5/04)