The Heat Is On ★★★★★

Heat Is on

The Isley Brothers / The Heat Is On

::★★★★★::1975::T-Neck::soul::funk::pop::rock::
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70年代アイズリーズ、「3+3」と並ぶ最高傑作。「3+3」が、ロック、ポップス、ソウル、ファンクのクロスオーバー的名作だとすれば、この「The Heat Is On」はソウル/ファンクにずっぽりはまった名作。曲も6曲のみ。A面は全曲ファンクで、アイズリーズ最高のファンクナンバー「Fight The Power」(パブリック・エネミーの同名曲はこの曲のサビの歌詞がモチーフ。その曲のバックトラックはジェイムズ・ブラウンの「Hot Pants」が元だと思いますが)がまず強力。ロッキッシュな濃いファンク・グルーヴがサイコです。つーか、音はしょぼいんだけど。ギターはレイドバックしているし、ドラムはギターのアーニー・アイズリーが叩いているので、どこかしょぼしょぼ。でもしょぼくてもファンキーな濃さは変わらないというか、しょぼいからこそカッコイイ! のであります。なんとなくギターの印象が強い曲だけれども、本当の主役はクリス・ジャスパーのブヨブヨ・ムーグかも。そのブヨブヨ・ムーグ(いや、これはマーヴィン・アイズリーのベース? それともアーニーのギター??)が大活躍するtr2「The Heat Is On」、それにドゥービー・ブラザーズの影響丸出しのtr3「Hope You Feel Better Love」も良し。で、強力なA面ファンク・サイド以上に強力なのがB面バラード・サイド。ヒップホップ世代にサンプリングされまくったtr4「For The Love Of You」も良いですが、それほど知られてない残りの2曲tr5「Sensuality」、tr6「Make Me Say It Again Girl」も同じくらい強力。いずれもどこかダークさをもった愛欲バラードで、クリス・ジャスパーのなまめかしいキーボードにのってロナルド・アイズリーが最高のボーカルを聴かせてくれます。個人的にはtr6「Make Me Say It Again, Girl」が大好きです。アーニーのアコギとクリス・ジャスパーのフェンダーローズがたまらなくメロウで、ロナルドのテナー/ファルセット・ボーカルが「You're all I need」の「need」を「に〜ひぃ〜ひぃ〜♪」と歌い、「いぇすゆーあー♪」と歌うところでもう聴いているほうはメロメロ、漢でも濡れます。とにかく名盤! (1/23/04)