Philly Golden Classics ★★★★

Philly Golden Classics

The Intruders / Philly Golden Classics

::★★★★::1995b::Collectables::soul::
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Epicのレガシーシリーズのベスト盤「Cowboys To Girls: The Best Of The Intruders」と同時期に出されたイントゥルーダーズの「裏ベスト」。編纂は海賊盤すれすれのリリースで悪名高いコレクタブルズ。Epicのベスト盤がCD一枚だったのに対して、こちらは2枚組ということで、大は小を兼ねる的に、こちらの方がEpic盤に収録されている曲の大半が収められていると同時に、Epic盤にない曲もどっさり入ってます。ただ、そのせいで、完璧な内容のEpic盤に比べ、駄曲っぽい曲も少なからずまじっていて、全体的な打率は低めとなっております。しかし、オリジナル・アルバムがCDで入手できない(あるいは困難な)イントゥルーダーズですから、ファンにはそんなちょっとよろめいた曲も貴重。実際、ちょっとおもしろい曲も入ってます。たとえば、カーペンターズのカバー「Rainy Days And Mondays」。リトル・サニーのヘタさがちょっと際だって、素晴しい出来とはいえませんが、イントゥルーダーズらしくて良い感じ。マーヴィン・ゲイのマイナー曲「Jan」(「Live!」に収録)のカバー。これもリトル・サニーのヘタさが目立ってしまっていますが、ま、ファンなら愛敬で許しましょう。それより、この曲はアレンジが凝っていておもしろい。てゆうか、こんな、マーヴィン・ゲイのライブ盤にしか収録されてないマイナーな曲を選ぶセンスが不思議。モータウンヒットのカバー「What's Easy For Two Is So Hard With One」(メアリー・ウェルズ)も、リトル・サニーのボーカルは今いち頼りないですが、元々ガールポップだったこの曲、甘いポップさがイントゥルーダーズにぴったりで良いです。一方、出来の良いのがウィリアム・デヴォーンのカバー「Be Thankful For What You Got」(マッシヴ・アタックデビューアルバムでカバーしてた)。リトル・サニーのボーカルも合格点、オリジナルに忠実ながらフィリー・ダンサー風味も加えたファンキーなアレンジがさりげなくて良いです。他、非カバー曲では、パワフルな初期曲「Check Yourself」、メロウ(でリトル・サニーがヘタな)「Be On Time」、「Everyone's A Star」あたりが良いです。ということで、ファンにはありがたい一枚。アルバムとしてはEpic盤の方がはるかに出来は上ですが。 (1/4/04)