Sweetback ★★★★

Sweetback

Sweetback / Sweetback

::★★★★::1996::Sony::club::pop::trip hop::dub::
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シャーデー・バンドの3人スチュアート・マシューマン、アンドリュー・ヘイル、ポール・デンマンからなるグループ。これ良いす。ひとことでいえば、ジャジーですこしダウナーなダブ系クラブサウンド。インストと歌物半々くらい。参加ミュージシャンは、グルーヴ・セオリーのおねーちゃん(Amel Larrieux)、マックスウェル、バハマディア、メイジャー・フォースのナカニシ&クドー、などなど。とにかく1曲目の「Gaze」が非常に良い。かつてのスミス&マイティーを彷彿とさせる幽玄のダブ空間。しかもジャジーなのね。イントロから一気に夜中の冷たい空気の中にひきこまれます。特別あたらしいことをやってるわけではないけど、この「空気」が心地よい。続くtr2「Softly Softly」はマックスウェルがファルセットで歌い上げる歌物。これまたスミス&マイティーのてがけたカールトンを彷彿とさせますが、それよりはずっとトリップホップよりというか、ダーク。歌物では、ビル・ウィザーズのカバーtr9「Hope She'll Be Happier」もいいです。リリカルでどこか退廃的なたゆたうような雰囲気で、このリラックスした浮遊感がこのグループの良さかも。その「リラックスした浮遊感」がもっともよく表われているのがラスト3曲のインスト、tr10「Club Dubbing」、tr11「Cloud People」とtr12「Powder」がいい。いずれもダブ的であるけど、フュージョン的でもあるのがシャーデー・バンドという出自を感じます。が、こういうぬるい世界も悪くないです。新しいところはないし、一歩間違うとニューエイジになりそうなところもあるけど、ダブを基盤にするというところがしっかりしているし、好感もてるアルバム。 (11/24/03)