Escape ★★★★

Escape

Journey / Escape

::★★★★::1981::Columbia::pop::rock::
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(感想2回目)えーーっと。懐しさでつい買ってしまったジャーニーの最大のヒット作である本作ですが。もう、ほんとにダサい商業ロックで、いつも聴くたびにそのダサさに死にそうになっていたのですが‥‥‥‥だんだん良くなってきますた:火暴。なんつうか、クサヤも慣れればクセになるというか、今でもこれは死ぬほどダサい音楽だと思うのは変わらないのですが、だんだん「このダサさがいいねぇ」と思いはじめている自分がそこにいるわけです。特に今のオレをトリコにしているのが、ニール・ショーン先生のギター。聴けば聴くほど、この人のギターは腐れヘビーメタルなんですけど、「ヘビーメタル上等」という開き直りとも思える(オレが勝手に思っているだけですが)この迷いのないギターになぜか惹かれているのであります。とにかくこの人はギターの音が気持ち良い。ギターリフとしてはもうベタベタのアメリカン・ヘビーメタルなんですが、重すぎず軽すぎない絶妙なディストーションギターは、一般リスナーに実はこれはヘビーメタルであることを気付かせない匙加減。このプロ根性は見事。tr4「Keep On Runnin'」の激ダサ・FMヘビーメタルや、tr8「Dead Or Alive」の激ダサ・ロケンロールごっこもたまりませんが、白眉はなんといってもタイトルトラックtr6「Escape」。ミディアムテンポの商業ヘビーメタル・ナンバーですが、間奏のニール・ショーンのリフで、ピッキング・ハーモニクスをからめるという80年代ならではのギミックにノックアウト。スティーブ・スミスの根性がまるで入ってないがスタジオ・ミュージシャン的に安定していて微妙なテクが垣間みれるデッドなドラムにもシビレる。ついでに、こういったアップテンポの曲でのスティーブ・ペリーのボーカルの信じがたいほどのダサさで、それでもなぜか「おお、来た来た、ダサボーカル! 最高!!」と思ってしまう。ダサさも突きぬけるとこれも立派なアート。素晴しいです。まあ、こういえるのも、なんやかんや言ってニール・ショーンのギターが実際激ウマだからですけどね。この人は、メタル・ギターだけど、アホなLAメタルやヘアー・メタルのギタリストのへっぴり腰ギターと違い、ギターソロでも変なギミックは使わない。大半はメロウで簡単なギターソロに終始‥するフリしてちょっとしたスキにアタックの強い力強いピッキングでガシガシ弾きまくる。気持ちのよいギター男です。ナイス。 (11/24/03)