Still Moving ★★★★★

Polar / Still Moving

::★★★★★::2001::Certificate 18::d&b::

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ノルウェー出身のドラムンベース・アーティスト、ポーラーの2作目。とても穏健な内容で、拍子抜けするほどフツーな、ドラム、キック、ハイハットというシンプルな構成のリズムとはねるムーグ的ベース、アンビエント的キーボードがのったインストが続きます。特に新しいところはないんです。が。なぜかぼくはこのアルバムが非常に好きなんです。というか、ほとんど中毒になっています。この人の音というのはどこか北欧の風景がある。どこか寒々とした印象なんだよね。氷や雪の荒涼とした平原の景色。耽美に陥ることなく、過激でもなく、ただ淡々と寒い光景が広がる。その顕著な例がtr6「White Walls」tr7「The White Chambers」の連作。劇的な盛り上がりもなく、淡々と、氷のある風景を連想させる、少しエレクトロがかったアンビエントな音が続きます。SFホラー映画からのサンプリングだと思われる会話（元ネタのわかる人がいたらおしえてください）の挿入も効果的。他では、ギターのどこか寂しそうなフレーズと、それと対照的にどこか無機質でファンキーなベースとビートの組み合わせが良いtr3「Inside The Plot」、ダークなtr1「Bipolar Suns」、tr2「Blacklight」あたりが良いです。この人の、ベースが弾けるような感じが好きなんだよね。後半は少々凡庸だけれども、前半が非常に好きなので、★は多めに‥。 (10/27/03)