SINGLES ★★

SINGLES

爆風スランプ / SINGLES

::★★::1999::SMR::pop::rock::jp::
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爆風スランプというのは爆風銃(バップガン)とスーパースランプという二つのバンドのメンバーが組んだバンドで、早稲田系ということで、聖飢魔IIデーモン小暮も関わったこともある人脈(たしかスーパースランプのボーカルだったはず‥>小暮)。で、その聖飢魔II、それから米米クラブあたりとともに、80年代末の、エンタテイメントお笑い日本ロックを支えていたわけですね。笑いだけなら、インディーブームの中から出てきた筋肉少女帯やら石野卓球率いる人生やら有頂天やらがすでにあったわけですが、爆風や聖飢魔II米米はそこまでサブカルしてなくて、もっと単純にエンタテイメントとしてのお笑いをめざしていた世代のグループだったと思います。で、爆風と聖飢魔II米米の中で音楽的に一番弱かったのはやっぱり爆風かなぁと、こうしてベスト盤を聴いてて思います。演奏力が劣っていたということではもちろんなくて、特にベースの江川ほーじんなんかは当時の日本のチョッパーベーシストの第一人者としてベース小僧たちのアイドルであったことよ。でも、全体にはどうも弱い。このベストアルバムでも「ヤシの木かげ」というファンク曲はベースを中心として演奏として非常にカッコいいのだけど、全体としては‥駄目なわけじゃないんだけど‥。爆風銃(バップガン)というのは、Pファンクの「Bop Gun」から来ているわけで、まあ、もともとファンク的な土台のあるグループだったわけですが、しかし、あえてこのファンク路線を全体的には押し出さなかったのは、ギターのパッパラー河合がそういう系統のプレイヤーではなかったから? いや、それ以前にサンプラザ中野が、そういう路線からはるか遠いところにあるシンガーですからね。つーか、このグループのキャラクターを一身に背負っていたのが中野ならば、このグループの音楽的限界の大元も中野だったわけで。ヘタすぎ。平坦すぎ。あと、爆風スランプはその後お笑い路線から青春路線に転換するわけですが、個人的には青春路線はカンベンという感じです。「Runner」以降はマジで氏んでくださいという感じです。「無理だ!」が爆風の原点であると思うのですが、まあ、これもおもいっきり色物だしなぁ‥。どうにも似ても焼いても喰えない。 (10/7/03)