Sacred Heart ★★★

Sacred Heart

Dio / Sacred Heart

::★★★::1985::Vertigo::pop::rock::
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つーか、なんでオレこのアルバム持ってんだろ‥。いや、確かにぼくは80年代はヘビーメタラーだったけど、このアルバムが出たころはCDはまだそれほど普及してなかったころだし、リアルタイムで買った記憶もないんだけど‥。あ、もしかしたら弟のCDをこっそりゲッツした代物かも(おい)。この「ディオ」というバンドは、メタル好きなら知らぬひとはいない、ロニー・ジェイムズ・ディオという、ドラゴンや魔法や中世の騎士の話を歌にするのが大好きな顔の長いおじさんが、レインボーやブラック・サバスといった有名メタルバンドを変遷したあとに組んだバンドであります。で、このアルバムは3枚目で、ドラゴンや魔法が好きなおじさんだけど、ちょっとアメリカで売れてみようと色気を出したアルバムなのですね。というわけで、ディオのアルバムとしては甚しく中途半端な内容なのですが、思い入れのないぼくとしては、魂を売り渡したようなポップ・メタルの曲が意外に楽しめたりします。冒頭の「King Of Rock And Roll」、「Hungry For Heaven」、「Just Another Day」あたりですね。「Hungry For Heaven」はちょっとあまりにポップすぎる気がしますが、「Just Another Day」のスピード感とポップメタルぶりはなかなか快感です。ちなみにギターは若手ヴィヴィアン・キャンベルで、ジョージ・リンチを軽くしたようなギタリストなんですが、このやたら軽い音のプレイがこういったポップメタルにぴったりです。他に「Rock 'N' Roll Children」「Shoot Shoot」あたりもポップですが、あまりにアメリカンすぎて、ここまで魂を売りわたして良いのかと小一時間(略。いっぽう、タイトル曲は従来路線を踏襲した魔法とドラゴンな曲ですが、いやー、雰囲気たっぷりで笑えます。つーか、このギターとキーボードはロニー・ジェイムズ・ディオの荘厳な中世趣味にはちょっと軽すぎないか? (8/15/03)