Platinum Breakz ★★★★

Metalheadz:Platinum Breaks

V.A. / Platinum Breakz

::★★★★::1996::Metalheadz/ffrr::d&b::
iTS US / iTS JP(→iTSについて

ドラムンベースの古典ですな。ゴールディー主催の「メタルヘッヅ」レーベルの初期コンピレーション。ゴールディーがもっとも勢いがあったころの入魂の一枚であります。収録アーティストは、ゴールディ(Rufige Kru名義)自身の他、ペシャイ、ドック・スコット、Jマジック、フォーテック、ヒドゥン・アジェンダ、ワックス・ドクター、アレックス・リース、レモンD、ソース・ダイレクト、ディジタル、ディリンジャ‥と、当時新進、今見るとオールスターメンバーの勢ぞろい。まだハウスの影響が濃い時代(特にペシャイの「Psychosis」など)で、ジャジーなピアノやソウルフルな女性ボーカルのサンプリングがそこらで聴かれますが、同時に、90年代半ばごろはまだイロモノ扱いされていたジャングル=ドラムンベースが芸術になりうることを示そうという意欲も強く感じられます。それは、特に、ジャジーながらも変則ビートを複雑に折りまぜたレモンD「In My Life」や、打ち込み&サンプリング・リズムをあたかも生ドラムであるかのようにひたすらループさせた、これまたジャズ的(抽象的な意味で)なJマジック「Your Sound」あたりに顕著です。一方、ヘヴィーなドック・スコット「The Unofficial Ghost」(当コンピ1曲目のゴールディー自身の「V.I.P. Rider's Ghost」のリミックス)や、アレックス・リース「Pulp Fiction」などのように、ひたすらダークで、のちのTechStepにもつながるような楽曲もあります。このアルバムについて、不満があるとすれば、全体的にキレイにまとまりすぎているところでしょうか。もっともっと危うい破綻があってもよかったのでは。個人的なベストトラックは、ひときわテクノ的で異彩を放っているフォーテック「Consciousness」だす。 (7/4/03)