Peace Beyond Passion ★★★

Peace Beyond Passion

Me'Shell Ndegeocello / Peace Beyond Passion

::★★★::1996::Maverick::pop::r&b::funk::
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ミシェル・ンデゲオチェロの二作目。基本的に前作と同じ路線なんですが、音楽的により成熟してます。語りっぽいボーカルが多かった前作よりメロディを歌っている割合がふえていて、シンガーとして自信をつけたことを伺えます。もともと声が非常に良い人ですからね。また、演奏も、リズムが打込み中心だった前作より生ドラムが多くなり、ファンキーさにしなやかさが出てきました。ドラムだけでなく、かなり多くのゲストミュージシャンが参加しており、プロデューサーのデイヴィッド・ギャムソン(元スクリッティ・ポリッティ)とマルチ・プレイヤーであるンデゲオチェロの二人の共同作業のようなものだったデビュー作より深みが出ています。曲もミディアム、スローのものが増え、幅が出ました。というわけで、ンデゲオチェロの代表作だといって良いアルバムだと思いますが、個人的にはデビュー作の方が好きなんですよね。デビュー作を聴いたときの衝撃はやはり忘れがたい。それから、デビュー作のほうが曲がポップだったし。このアルバムはぼくの趣味からすると少々渋すぎるかも。とはいえ、「The Womb」、「The Way」、「Deuteronomy: Niggerman」の冒頭三連発は相当強力であります。ジャズファンク色が強かった前作に比べ、70年代ファンク/ソウル色(しかもノーマン・ホイットフィールド系)が強い作品であります。 (6/29/03)