Opera ★★★★★

OPERA

すかんち / Opera

::★★★★★::1993::label::pop::rock::jp::
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すかんちはどうもキワモノ、イロモノとのイメエジが強すぎて、どうも過小評価されているような気がします。とはいえ、キワモノ、イロモノというのは否定できないところなんですけど。コンプレックスの裏返しからくる虚勢、そしてコンプレックスの裏返しからくる虚勢であることを隠そうともしない自虐的姿勢。ガツーンとロケンロールを叩きつけつつもどうしてもパクリ・フレーズをわざわざ挿入してしまう屈折した姿勢。カッコつけつつ、カッコつけることのカッコわるさもわかりすぎている男、ローリー寺西。でもねー、彼らの演奏と曲はほんまカッコ良いですよ。つうか、自虐男のローリーですが、ローリーのギターの腕は素晴しいですよ。こんだけ、ステレオタイプ的「炎のロック・ギター」を弾ききれるプレイヤーってなかなかおらんです。

このすかんちの頂点といえる4作目アルバムも、一曲目「Grave Digger」からガツーン!!!とハードロック爆弾を落としてくれます。いやまあ、ほとんどツェッペリンそのまんまなんですけどね‥でもツェッペリン型ハードロックをここまでカッコよくやってのけられるのってなかなかできないことですよ。もっともすかんち‥というかローリーの資質はツェッペリンよりも、Tレックス、スウィート、スレイド、そして初期クィーン(つーか、クィーンからの引用はやりすぎと言ってよいレベル)といったグラム系ポップ・ハードロックよりなんであり、このアルバムでも「仏壇返しにはかなわない」「恋するマリールー」「ママの自慢のロックンロールスター」、そして名曲「Mr.タンブリンマン」などといった曲でポップで痛快なハードロックを聴かせてくれます。また、ドクター田中(key)の気色悪いまでの昭和歌謡‥というかアニメの主題歌のような世界が炸裂する「恋人はアンドロイド」といった曲も、背中がムズ痒くなるものの、非常に良い曲であることも否定できないところです、田中自身の不必要なまでにさわやかなボーカルも含め。個人的には、「仮面の接吻」のようなシアトリカルな曲は苦手なんですが、それ以外は捨て曲なしの名盤。あ、もちろん、Shima-Changのロリボーカルとゴリゴリのベース、ポンプ小畑のボンゾ系ドラムも素晴しいです。 (6/18/03)