Mistaken Identity ★★★

Mistaken Identity

Vernon Reid / Mistaken Identity

::★★★::1996::Sony::pop::rock::
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うーん、期待はずれな一枚です。ヴァーノン・リードといえば、古くはロナルド・シャノン・ジャクソンのフリー・ジャズ・グループ、ディコーディング・ソサイエティでの活動から、アンビシャス・ラヴァーズの「グリード」から、ご存じリヴィング・カラーから、非常に幅ひろい活動をしてきたブラック・ギタリストなわけですが、このひとって基本的にギターオタクなんだよね、たぶん。だから、リヴィング・カラーのようなハードロック・バンドで直球を投げたり、人のプロジェクトに参加したりする分には良いんだけど、自分のアルバムではどうも突きぬけたところがないというか。

このアルバムも、もっとジャズやヒップホップを大幅にとりいれた過激な内容になるかと思いきや、わりにフツーの、ごくフツーーーーのハードロック系ギターインスト・アルバムになってます。しかもそんなにメチャ弾きまくるという感じでもなく、リフ中心のインストばかりなのにははがゆいばかり。つまんねーんだよ! でもまあ、良く聴くと、ドン・バイロンのクラリネットとかが良い味を出していて、そのあたり、ニューヨーク・ジャズっぽいのかなとも思ったりするけど。あと、お笑い系の曲がけっこうおもしろいので、それは良いかも。高木完が実に微妙なラップを聴かせる曲もあります。 (5/23/03)