Mercy ★★★★★

MERCY

Sandii / Mercy

::★★★★★::1990::Eastworld::pop::rock::jp::
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サンディーのアルバムではこれが一番好き。最高傑作!と言ってしまおう。とはいえ、異論の余地はありますが。というのも、「濃さ」という点ではたとえば次の「Pacifica」に譲るし。でも、このアルバムはポップさに徹しているのが好きなんですよ。曲はポップでメロウ、サウンドはダンサブルで、ヴォーカルはコケティッシュでセクシー。日本、インドネシア、マレーシアなど、東アジアのサウンドをふんだんにとりこみつつ、フィニッシュは西洋的ポップス。この対極的要素がものすごく自然に融合しているのがすべてを包みこむようなサンディーの母性マジックですね。個人的にベストトラックは「Ikan Kekek」。東南アジア民謡をハウスにしたてたこの曲、ほんまにポップで良いのであります。ポップといえば、tr7「Hello」もめちゃかっこいい。サンディーを初体験したライブがよみがえりますです(ぼくが見たライブのオープニングだった。ステージは更にカッコよかったけど)。無国籍ポップスです。ミディアム・テンポでメロウなtr6「Suriram」、tr8「Te Cherir A Jamais」も最高。マジで。こういうテンポをおとしたメロウな曲でのサンディーのセクシーさよ!その最高峰は、スロー・ナンバー、tr9「Water 4 A Barren Heart」。細野晴臣による、かなりダークな曲ですが、荒涼とした空間にあらわれるサンディーのヴォーカルは神聖なほどの美しさ。まさに「不毛な心を洗い清める水」なのです。傑作。 (5/19/03)