Loveless ★★★★★

Loveless

My Bloody Valentine / Loveless

::★★★★★::1991::Sire::pop::rock::
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思うにイギリスのギターロック系でここまで影響力が大きく、かつ後世の耳で聴いても輝きを失ってない作品というのは、このマイブラの「Loveless」匹敵するのはスミスの諸作品ぐらいしかないのでは。しかも古くなってないという意味では最強とも言えるバンド。日本でも、スパイラル・ライフコールタール・オブ・ザ・ディーパーズからコーネリアスまで、今だ巨大な影響力を誇る作品であります。ぼくは最初聴いたときは「うっせぇ!」と思ったものですが、というのも、まったくダイナミック・レンジがない、のっぺりと塗り壁のような轟音ギター洪水ですからね。でも、何回も聴くと曲の良さに気付かされるのであります。このアルバムでボーカルがビリンダ・ブッチャーの女声ボーカル中心になったのは成功だったと思います。メロウで歪んだ轟音ギターの地平の彼方でかすかに聴こえる消えいりそうなボーカルは現実離れした存在感を放っているのです。ほとんど断片的にしか聴こえない歌詞はひたすら退廃的で、そのあたりも徹底しています。捨て曲もない文句なしの名作。エーンド、ラスト・アルバム! (5/4/03)

[追記]iTS USのは1曲欠け。しかもベストトラックの一つ「To Here Knows When」。shit!(6/22/06)