Live At The Harlem Square Club, 1963 ★★★★★

One Night Stand: Live at the Harlem Square Club
Live at the Harlem Square Club 1963

Sam Cooke / Live At The Harlem Square Club, 1963

::★★★★★::1985::RCA::soul::r&b::
iTS US / iTS JP(→iTSについて

「ソウル・ミュージックの創始者」であるサム・クックのことはあまり知らない不勉強なぼくですが、もう、とにかくこのライブ・アルバムは素晴しすぎる内容です。まだ市民権運動の時代、黒人のオーディエンスの前で情熱的に、プリーチするように歌うクックのパフォーマンスは感動的としか言いようがありません。なんというか、メッセージは直接的ではないのですが、間接的にアメリカの黒人の辛い歴史をペーソスとオプティミシズムをもって浮かびあがらせるような、うまくいえないのですが、そういう歌であり演奏なんです。冒頭の「Feel It」からしてもう圧倒的。「Don't fight it, Feel it!」というメッセージは力強くも優しい。ボーカルのテクニックも信じ難いほど高い。押すところは押し、引くところは引き、ワイルドでありながらエレガント。クックの大人しいスタジオ録音ではわかりにくい底しれぬクックのシンガーとしての実力をこれでもかと見せつけられる思いです。個人的には「It's All Right/For Sentimental Reasons」のセンチメンタリズムにほろりとしてしまいます。奇跡的なアルバム。バックの演奏も音も素晴しい。 (4/20/03)

[追記12/29/06]このアルバムにはオリジナルマスターとリマスターの二種類がありまして、Amazonのリンクのうち、ジャケに上半身のアップが写っているのがオリジナルマスター、全身が写っているのがリマスターです。リマスターはかなり音が変わっており、賛否あるようです。iTS USで売っているのは新しい方。