Loaded for Bear: The Best of Ted Nugent And The Amboy Dukes ★★★★

Loaded for Bear: Best of Ted Nugent & Amboy Dukes

Ted Nugent And The Amboy Dukes / Loaded for Bear: The Best of Ted Nugent And The Amboy Dukes

::★★★★::1999::Epic::pop::rock::
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野獣男、テッド・ニュージェントがソロ独立以前に組んでいたバンド、アンボイ・デュークスのベスト盤。大半の音源は60年代後半。ぼく、テッド・ニュージェントのギターってあまり好きじゃないのよね。このひとって、ワイルドな風貌だけど、ピチピチのズボン履いてガニマタでギター弾くでしょ。そんなギター・プレイなんだよね。ってどんなんや! てゆーか、ワイルドで弾きまくりタイプで、ハードロッカーなんだけど、なんでギターがセミアコ/エレアコ系なんだよ! だから、ギターの音はひたすらペラペラ。ペラペラでうっとおしくピロピロ弾きまくるからウザい。でも、そんなうっとおしさも聴いているうちになんだかクセになってくるから不思議。いやー、やっぱりセンスは全然ないと思うんだけどね、ギタープレイ。でもこれはこれで個性だよな。

で、このベストですが、けっこう曲が良いんですよ。デトロイトのバンドとはいえ、けっこう典型的60年代のブリティッシュ・インベイジョン系の音、特にソウルやブルーズに影響を受けた系、つまり昔のストーンズとかマンフレッド・マンとか、それ系の音。それでも没個性的にならないのはやっぱりうっとおしいニュージェントのギターのおかげ。ステージ上でもボーカリストよりはるかに目立っていたらしいニュージェントですが、音的にもやっぱりニュージェントのピロピロギターの過剰さがバンドをひっぱってる感じ。サイケ時代のストーンズっぽい一曲目「Journey To The Center Of The Mind」も良いですが、ぼくの一押しはもうちょっとブルージーな「Night Time」(これもストーンズっぽいかも)かな。他、「Missippi Murderer」、「Dr. Slingshot」など、破天荒ブルーズ・ロック系が良いです。ニュージェントのギターがペラペラの音ながらもうなりをあげる「Prodigal Man」のような大作ブルーズ・ハードロックもナイス(第一期ディープ・パープルっぽい?)。

ちなみに、ニュージェントのことばっかり言及してしまったけど、バンド自体も良いんだよね。ドラムもパワフルだし、アンボイ・デュークスのリードボーカルのワイルドさ、ソウルフルさはニュージェントがソロ作の優等生的リードボーカリストにはない味があります。好盤。しょうもない曲も入ってるけど。 (4/16/03)