Kill Ugly Pop ★★★★

Lip Cream / Kill Ugly Pop

::★★★★::1986::Captain::pop::rock::jp::
iTS US / iTS JP(→iTSについて

日本のハードコアパンクの草分けのひとつ、リップ・クリームの代表作。ハードコアというのは時代とともにヘヴィ・メタルの影響が色濃くなるものなのだけど、リップ・クリームのこの作品は、ちょうどその融合期で、ギターにメタルの重さが見られる一方で、ドラムの「兎にも角にも突っ走る」さまは完璧にパンク! 全体にはやっぱりパンク色のほうが強いか。曲も2分前後と短いしねー。このアルバムの魅力は、ギターとドラムの疾走感とそして何といってもJahJahのボーカルでしょう。この人は声がとてもいい。あと日本語の歌詞がいい。特に「Give Us The Truth」とタイトルトラック! 日本語の歌詞は漢語の多い、どこかシュールで古めかしい響きだけれども、それがハードコアなギターとドラムをバックにJahJahの、言葉を投げつけるような発声で歌われると、なにか追いたてられるような気持ちになるのであります。英語の歌詞は聴きとり不能&歌詞カードの英語は間違いだらけだけど、そんなの知るかっ!というドキュソパワーは圧倒的。ちなみにアルバム・タイトルとジャケは、フランク・ザッパのセカンド・アルバムの中ジャケおよび中ジャケにプリントされた言葉「Kill Ugly Radio」に基づくものだと思われ。 (4/5/03)