Let's Stay Together ★★★★★

Let's Stay Together

Al Green / Let's Stay Together

::★★★★★::1972::Hi::r&b::soul::
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アル・グリーンの最高傑作! と言えるのではないでしょうか。前作「Gets Next To You」までの骨太でヘヴィな感覚と次作「I'm Still In Love With You」以降のスウィート路線のちょうど中間にあたる内容で、スウィート、メロウ、都会的でありながら、泥臭さとヘヴィーさを失ってないという稀有なバランスのうえに成り立っている傑作。あまりに有名なタイトル・トラックからして最高です。品位あふれていて、それでいてサザンソウルの土着さを失なってないホーンセクションから、アル・グリーンの抑えた歌唱がエレガントに流れてきます。この曲のヒットで、グリーンは以降「抑えた歌唱法」に走りすぎたという批判が一部で存在しますが、この段階では、完璧にコントロールされた歌唱が好ましいレベルにおさまっています。他も捨て曲は一切なく、南部のセンチメンタリズムを感じさせる埃っぽいストリングスの響きがすばらしすぎる「Old Time Lovin'」や、メロウさとブルージーさがこれまた奇跡的なバランスを保っている「Judy」あたり、特に良いですね。それから、グリーンは他人の曲を自分のものとして昇華することに長けているのですが、今回はビージーズのカントリー調のバラード、「How Can You Mend A Broken Heart」をカバー、グリーン以外のなにものでもないというメロウ・ソウルに仕立てあげており、その出来はほとんど奇跡的! ロックファンにもおすすめの名盤です。 (3/5/03)