House Of Music ★★★★

House of Music

Tony! Toni! Tone! / House Of Music

::★★★★::1996::Mercury::soul::r&b::
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本作がラスト・アルバムになってしまうのか? という活動休止中のトニーズです。フォスター&マケルロイの秘蔵っ子として出発し、どこかエキセントリックでポップでファンキーでやんちゃな存在感をふりまいてきたこのファミリー・ユニットも、前作「Sons Of Soul」(1993)で一つの音楽的頂点を極めたところで、個々の活動やプロデュースの活動が多くなり、本作を発表したところでグループとしては沈黙してしまいました。でもまあ、もともと3年に一度しかアルバムを発表しない寡作なグループだったわけで、ひょっこりと復活するかもしれませんが。でも本作を聴くと、なんだかこれで最後なのかなぁという思いになってしまうんですよね。というのも、それまでのトニーズのもっていた、「ポスト・プリンス世代のスライ&ザ・ファミリー・ストーン」といった感じのやんちゃなポップさが見事に消えさり、実にしんみりとした大人のアルバムになっているからです。全体的にレトロ指向、70年代指向なのも特徴で、それはセピアっぽいジャケにも表われているし、また、一曲目の「Thinking Of You」がアル・グリーン丸だしなのもレトロ指向を象徴しています。個人的には、「Still A Man」と「Wild Child」の二曲のレイドバックしたバラードが好き。で、バラードばっかり選んで聴いているので余計、「ラスト・アルバムだなぁ」と思ってしまうのかも。 (2/21/03)