Forever ★★★★

FOREVER

米光美保 / Forever

::★★★★::1995::Epic::pop::jp::
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二作目にして現在のところ最後のアルバム(涙)である本作。ひきつづき角松プロデュースなのが萎えるところですが、でも前作より良い出来です。全体的にアップテンポな曲が増えたのが勝因か。角松ですから、ダサいことには変わりないのですが、ダサさを楽しむぐらいの心の余裕で聴くとけっこう良い曲が多いことに気づかされます。たとえば冒頭の、時代を完全に間違えたような糞フュージョン「ナチュラル・フーズ」も、そのダサさを受け入れることができれば、伸びやかな米光美保のボーカルの素晴しい魅力が味わえます。続く「ラビリンス」は、80年代の中山美穂のような、これまた時代を間違えたような曲ですが、このアルバムを代表する佳曲で、米光のボーカルもすばらしいの一言。毒にも薬にもならない保守的フュージョン・ハウス的ナンバー「Illusion Town」やミディアムテンポの「Fall In Love, It's Forever」(嗚呼なんてカスみたいな曲名!)も曲として悪くない。特に後者は良い。圧巻は働く女性の愚痴を綴った、米光の曲としては異色の「YA-DA」で、ブラジリアン・フュージョンっぽい曲調はなかなか個性的で良いし、複雑なメロディーラインを軽々と歌いこなす米光のボーカルも見事。そしてこのアルバムのベストトラックは、吉田美奈子のカバー「恋は流星」(角松が吉田のファンらしい)。米光にはこれぐらい良い楽曲がもっと必要だった。 (1/23/03)