Emergency! ★★★★★

Emergency

The Tony Williams Lifetime / Emergency!

::★★★★★::1969::Polydor::jazz::rock::
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傑作すぎ。トニー・ウィリアムズのアルバムを聴くのは初めてなんですが、ここまでスゴいとは。異能天才ジャズ・ドラマー、トニー・ウィリアムズの本格的なジャズ+ロック融合アルバムで、ギターに当時新進だったこれまた異能ジャズプレイヤーのジョン・マクラフリン、オルガンにラリー・ヤングを迎えたトリオ編成。ベースはなし。この編成でのジャズ・ロック/ロック・ジャズというのも異色ですな[追記1/4/07 いや、別に異色じゃないことが後にわかりました。むしろオルガンがベースを兼任するのはごく普通。無知でスマソ。]。一曲目から炎のようなウィリアムズのドラムにノックアウトされます。いやースゴい。めちゃ音数の多いドラムプレイなのだけど、それでいてうねるようなグルーヴ感、スウィング感がある。すさまじいテクニックとグルーヴ。ただただ圧倒されるのみ。それに対抗するマクラフリンのギターもスゴすぎ。すこし歪んだ音で、縦横無尽にジャズ・コードがめくるめくように湧きでてきます。そう、「湧きでる」という表現がぴったりというか、いやほとんど「溢れ出る」と言ったほうが良いか。聴いていて眩暈がする、ロッキッシュでかつ精神的に100%ジャズなギタープレイ。それがウィリアムズの複雑なリズムと相互作用をもってカオス的うねりを生みだしています。絶句するしかない超名盤。全曲が名曲で名演奏。ロック畑のジャズ・ロックでこれを超える演奏はなさそう。基本的にインストアルバムですが数曲で聞ける内省的な歌詞のボーカルもなかなか良い。 (1/4/03)