Extrapolation ★★★★

Extrapolation

John McLaughlin / Extrapolation

::★★★★::1969::Polydor::jazz::
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ジョン・マクラフリンのデビュー作。マクラフリンというとロック的攻撃性を持った天才ジャズ・ギタリストなわけですが、このアルバムは、ドラム、アップライト・ベース、サックスにマクラフリンのギターというオーソドックスにジャズ的な編成で、「マクラフリン的な音世界」のイメエジからするとむしろ異色かも。サックスのJohn Surmanのプレイがかなりフィーチャーされているし。マクラフリンのギターの音も歪んでないし。とはいえ、これがジャズとしてフツーかというと、どうでしょう。冒頭のタイトル曲の、ゆったりスウィングするイントロから一転してギターとサックスの高速ユニゾン・フレーズが飛びだしてくるところなどかなり変態的であります。でも全体的にはやはりアコースティックな印象だし、激しさよりはリラックスしたムードです。トニー・ウィリアムズ・ライフタイムの「Emergency!」でカバーされて長尺の楽曲として開花することになる「Spectrum」も、ここではどこか静かな雰囲気。全体に曲もすごく良くて(全曲マクラフリンの作曲)、好作品。 (1/4/03)