Electric Ladyland ★★★★

Electric Ladyland

Jimi Hendrix Experience / Electric Ladyland

::★★★★::1968::MCA::pop::rock::
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ジミヘンが生前に出した4枚のアルバムのうちの3枚目。LP2枚組。ジミヘンのアルバムの中でとりわけサイケデリック色が強く、また、内省的なアルバムでもあります。曲がポップなので、2枚組とはいえ、ジミヘン入門用にも良いのではないでしょうか。音もとても良い。ただ、ポップでサイケデリックな分、ジミヘンのギタリストしての生の部分を味わうにはあまり適してないかもしれません。とはいえ、アルバート・キングのカバー「Come On」などでは、ジミヘンの文字どおりドライブ感にあふれまくったギターを味わえるし、15分におよぶ「Voodoo Chile」(有名な短かいバージョンとは別アレンジ、別演奏)では、ジミヘンの緩〜いジャムを味わえます。オリジナル・バージョンではアルバムの最後を飾った「Rainy Day, Dream Away」「1983...」「Moon, Turn The Tides...Gently Gently Away」の3連発も緩く内省的なジャムで(このあたり、のちのエレクトリック・マイルズにも大きな影響をあたえたと思われ)、この、広い意味で「アンビエント」といえるドラッギーな感覚がこのアルバムの主題と言えるかもしれませんね。他の曲は総じてコンパクトなポップソングで、ジミヘンのソング・ライターとての魅力が発揮されています。また、オープニングの「...And The Gods Made Love」から「Have You Ever Been (To Electric Ladyland)」へと続く流れは、それもう激しくプリンスに影響をあたえたことよのうとつくづく思います。それほどプリンス的。で、このアルバムでちょっとイヤなのが、ノエル・レディングがボーカルを取る「Little Miss Strange」。悪い曲ではないのですが、浮いてまっせ。

結論としては、若干冗長にすぎる面もあり、若干ポップすぎるきらいはありますが、ジミヘンを代表する、そしてロック界を代表する一枚であることには違いないでしょう。ぼくも最初聴いたときはガツーンと来ましたよ。でも今はちょっと飽きているので、4ツ★。 (1/1/03)