Dream Catcher ★★★★

Sandii / Dream Catcher

::★★★★::1994::Epic::pop::rock::club::jp::
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サンディーのソロ5作目(サンセッツ以降のソロとしては4作目)。「Mercy」「Pacifica」と、インドネシア、マレーシア、日本、それから少しだけどハワイの音楽をクラブ・サウンドで昇華させたサンディーと久保田真琴のコンビですが、純粋なマレー音楽に特化した一種の習作ともいえる「Airmata」を発表した後の本作は、反動か、サンセッツ以降のソロ・アルバムではこれまでで一番あっさりしたポップアルバムとなっています。もちろん、たとえば「Lancang Kuning」のような、「Airmata」の経験を土台にした非常にアジア色の強い曲もあるにはあるのですが、一方、Boomの宮沢和史によるタイトル曲やディック・リーによる「Sunset」のようにアジア色がほとんどない曲が入っているあたり、あまりアジアアジアしてないアルバムだと言えます。その点を物足りないと見るか、肩の力が抜けたと見るかによって評価が違ってくる作品でしょう。ぼくは嫌いじゃないです。ポップな「Seringgit Si Dua Kupan」とか、サンディーの曲でももっとも好きな曲のひとつです。あと、「Airmata」でのボーカル特訓の結果、ボーカルの技術が飛躍的に伸びているのも見逃がせません。好作品。 (12/26/02)