The Valentyne Suite ★★★★

Valentyne Suite

Colosseum / The Valentyne Suite

::★★★★::1969::Vertigo::pop::rock::
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コロシアムはブリティッシュ・ジャズロック・グループだときいていて、代表作の2枚目(本作)と3(?)枚目かつラストアルバムの「Daughter Of Time」を買ってみたんだけど‥どこが「ジャズ」なんだ?! ま、いいけど。それはともかく、このアルバム、かなり良いです。まず一曲目にファットボーイ・スリムの「YAMAMA」のギターリフが飛び出してきたのでびっくりしました。コロシアムからのサンプリングだったのかぁ。というわけで、一曲目の「The Kettle」は非常にカッコいい直球勝負のロックです。続く「Eleby」、「Butty's Blues」、「The Machine Demands A Sacrifice」と立て続けに直球勝負のブルージーなハードロックが続きます。クリームみたいな感じ。ボーカル(ギターのジェイムズ・リザーランド)がジャック・ブルースっぽいということもあるかも。どの曲も泥臭く、しかし同時にかなりポップでもあり、良いです。ここまでは、ほとんど普通にブルーズロック、サイケデリック風味で、ジャズでもプログレでもありません。で、最後に16分におよぶタイトルトラックがガーンと来るわけです。んーなんというか、プログレ的アートロックという案配でありましょうか。後半クラシカルなオルガンで責めたり、でもサックスがフィーチャーされていたりしてかなりヘンです。しかし、コロシアムの良さというのは、頭でっかちなことをやろうとしても、演奏が荒削りで勢いがあるところですね。だから、このヘンなプログレ・アートロックもなんか勢いで最後まで聴かされてしまいます。というわけで、60年代サイケデリック・ブルースロックの最後の良品のひとつと言えるんじゃないでしょうか。なんかわけのわからんB級なジャケも良し。このCDはマスターテープでなくレコードから起こしたもののようで、そこは不満。 (12/13/02)

[追記]こんなアルバムがiTS USで買えるなんてすごいな〜。7ドル以下だし。