NONG! ★★★

NONG!

大阪パフォーマンスドール / NONG!

::★★★::1995::Epic::pop::jp::
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90年代半ばというと、アイドル・ポップスというジャンルがほとんど死滅していた時代ですから、モロアイドル路線だったデビュー作からいかに脱皮するかはOPDにとって緊急課題でした。その模索のぐあいはアルバムに入らなかった2枚のシングルにも感じられますが、結局このアルバムは大胆に「渋谷系」的ジャジーさをとりいれて大きく成長するのに成功しています。一曲目の「Rhythm Of Life」から、ジャネット・ジャクソンの「Rhythm Nation」とZappの「Dancefloor」とChapter + the Verseの「Put The B Back」(←だれも知らんわ!)をあわせたような曲でデビューアルバムのころのOPDとはまったく別人のようで驚かされます。また、アルバムの多くの曲で、Cosa Nostra桜井鉄太郎が作曲プロデュースを担当しており、「Let's Dive」のグルーヴ感などはかなり気持ち良いです。しかし、問題は、OPDがこの音に馴染んでいないということです。決してハズしているわけではなく、ボーカルは全体的に悪くないのですが、与えられたメロディをなぞっている以上のものが感じられない。音のクォリティーは高いがそれがOPDの音楽としては結実してない、そういう大きな欠陥を持った作品です。 (12/9/02)