d-Culture ★★★

d‐Culture

大阪パフォーマンスドール / d-Culture

::★★★::1994::Epic::pop::jp::
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ちょうど東京パフォーマンスドール(TPD)が成熟期を迎えていたころ、大阪版パフォーマンスドールとしてデビューしたのが大阪パフォーマンスドール(OPD)です。今では、太陽とシスコムーンT&Cボンバー稲葉貴子がいたグループとしての方が名の通りが良いかもしれません。また、レコード会社はTPDと同じEpicでしたが、OPDの場合、事務所が吉本興業だったのも特徴でした。OPDは結果的にはブレイクしませんでしたが、「吉本が送りだしたアイドルの代表選手」としては恥じない程度には成功しました。ちなみに、ぼく自身としては、関西弁をしゃべるアイドルということで興味を持って、うっかりはまってしまった経緯があります。

さて、このデビューアルバムの内容ですが、うーん‥まあ、一言でいえばアイドル・アルバムですね。TPDに似た路線を狙って、全体的にダンサブルな四つ打ちビートが中心のアイドル歌謡ですが、なんていうか、TPDほどには垢ぬけてないんですね。また、TPD初期の徹底したユーロビート歌謡路線ともちがい、わりにバラエティーに富んでいるのがアダになって、なんともまあ凡庸なフツーのアイドルアルバムになってます。ちなみにプロデュースはムーンライダーズ白井良明なんですが、あまりやる気は感じられない安っぽい音づくりとなってます。ギター・プレイとかは白井氏らしい勢いはあると思うんですけど、打ちこみやシンセの音が実にしょぼい。てゆうか、曲が曲だから白井氏も対処にこまったんだと思うんだけど‥どうせなら作曲も白井良明にやらせればよかったのに。

とはいえ、それでもまあ、ファンにはこのチープさが逆にたまらんかったりするわけで、高尚になってしまった2枚目以降よりこのチープなデビュー作をイチオシするファンは数多いわけです。特に、超恥ずかしい、アイドル然とした「SUNSHINE BOOGIE」や「恋のジェットコースター」あたりがこのアルバムのハイライトであるのは否めません。ああ恥ずかしい。ちなみにデビューシングルの曲は白井氏がアレンジしなおしたバージョンとなってますが、ダサいシングルバージョンの方がアイドル然としていて良いですね。やっぱり白井氏は人選ミスだったように思います。

冷静に★勘定をすれば「★」なアルバムですが、ま、ひいき目ということで‥ (12/9/02)