Che Che-Bye Bye ★★★★★

Che Che‐Bye Bye

種ともこ / Che Che-Bye Bye

::★★★★★::1987::Sony::pop::rock::jp::
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このCDは同居人ちゃんのものなんですが、最初のうちぼくはこのアルバムに少々拒否反応をおこしていたんですね。理由はいくつかあって、まずサウンド。全体的にタイトで良い演奏なのですが、アクセントとなるシンセの押しの強さがおもいっきり80年代的で(って、実際80年代のアルバムなんだから当然なんだけど)ダサい。特に1曲目にその傾向が顕著なので、冒頭から気がそがれるというのがあります。次に、独特のボーカル。わりにオバハン声(失礼)なのに、女の子ぶった雰囲気が今いちひっかかった。あと歌詞も、コテコテに女子の視点なので、男子であるぼくに入りこみにくかったという。思うに、かわいこちゃんアイドルが歌っていればすぐに入りこめたような気もします。そういうわけで、最初はどうにもついていけないと思っていたのですが‥ところが、こういう独特のアクの強さというのは慣れるものでして。で、慣れてしまうと、今度は曲の良さが浮かびあがってくるのです。そう、非常に曲が良い。80年代的で、ニューウェーブっぽいところも少々、くわえて、少女っぽい味つけの楽曲の数々なんですが、どれもこれも曲として良く出来ている。細かいところまで丁寧に練られている上に、メロディやコードの選び方など、いたるところに非凡さがにじみでています。かつ、捨て曲が一曲もない。作曲能力は天才的と言ってよいのではないでしょうか。そうなると最初なんとなく拒絶していたボーカルも好ましいものに思えてくるから不思議です。というわけで、やっぱり今でも少々男子が聴くには気恥ずかしい感はぬぐえないのですが、非常に良い作品だというのは否定できないし、今では逆にはまってます。名盤かも。 (11/23/02)