Catch Your Beat!! 〜Cha-DANCE Party Vol.5 ★★★

CATCH YOUR BEAT

東京パフォーマンスドール / Catch Your Beat!! 〜Cha-DANCE Party Vol.5

::★★★::1992::Epic::pop::jp::
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TPDのキャリアの中間、後期寄りの5枚目ですが、うーむこのアルバムですでに10年前の作品だとは‥。こわいわー、時の流れ。でも、こうして聴いても、それほど古臭くはないんですよ。そのあたりエラいですね。って、古臭くないって言ってるのはオレが歳だから? いやいや、まさか、ご冗談を。という戯言はともかく、TPDは全部聴いてるわけじゃないし、むしろ聴いてないアルバムの方が多いし、特別にファンだったわけではないんですけど。でもこう、アルバムを聴いていて、7人のメンバーの声もわりに識別できるんですけど、こういうグループものって声を識別できるかどうかで楽しみ方が全然変わってくるんですよね。だから、ぼくはこのアルバム聴いてとても楽めるのですが、「TPD? なにそれ?」って言う人が聴いても楽しめるかどうか、保証のかぎりではありません。さて、具体的な内容ですが、わりに穏健な内容で、ノンストップ・ユーロビートやハードコアテクノ(念のため、ハードコア・テクノというのは90年代に流行った商業主義的イケイケテクノのことです)やらハウスなサウンドを押してきたこれまでと違って、もっと楽曲にバラエティーがあって、悪くいえばこれといって特徴がないフツーのポップアルバムです。曲は玉石いろいろありますが、全体的には悪くないです。印象にのこるのは、まず、冒頭の「Catch!!」。従来のハードコア・テクノ路線のポップソングで、実に、もう実に、TPD的な曲でナイス。全員で歌われる曲ですが、ディーヴァ米光美保の存在感が強い曲だとぼくは勝手に思ってます。次、小室の「十代に罪はない」が良いです。いつの時代も変わらぬのっぺりとした小室ビートにのっぺりした小室メロディーなんですが、TPDにはけっこう合ってます。特に、穴井夕子のプラスチック・ボイスが小室系の平坦で人工的な曲によくはまります。もう一曲、市井の嘘ラップ曲「カチンときちゃう!」。のちの「DA.YO.NE」の前哨戦的な曲ですが、この曲ではヒップホップのかけらもなくて、ポップソングに徹していて、そのひらきなおりぐあいが実に良い。以上3曲、すばらしいです。あともうひとつ、従来路線のユーロ・ポップ「Saturday Night Fantasy」が、これまた典型的TPD曲で、頭痛がするほどシュガーコートされたチープな世界とTPDの象徴、木原・ザ・リーダーの独特のねばっこい歌におもわず眩暈が。褒めてるんですけどね。 (11/23/02)