Britney ★★★★

Britney

Britney Spears / Britney

::★★★★::2001::BMG::pop::rock::
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非常にクレバーなアルバムであります。最初に、ジャネット・ジャクソンみたいなアバンギャルド商業ポップ路線のファーストシングル「I'm A Slave For You」を聴いたとき、ブリトニーの、アイドルの殻を破ることに対する意気ごみを感じたのですが、いざアルバムを聴いてみると、前作までのフツーの「派手で押しが強く、サビがわかりやすいティーン・ポップ」路線の曲(by今までのプロデューサー、マックス・マーティン)もごっちゃり入っていて、なんというか「いやほら、やりすぎるとファンが付いてこないから」という計算が実にうまくなされているのです。また、曲数もあまり多くなく、40分ちょっとの収録時間におさめているのも非常に賢い選択というか、余裕を感じます。つまり、「Im A Slave For You」や「Boys」といったプリンス的なアバンギャルド・ポップで、アクセルを踏みこむように見せて、「Overprotected」や「Anticipating」のような他愛のない従来路線のアイドル曲で力を抜き、つべこべ考えさせる間もなくアルバムを終らせてしまう、このいさぎよさが実にポップです。カスみたいなバラードと、ジョーン・ジェットを穢すような「アイ・ラブ・ロックンロール」のカバーはやめてほしかったですが。あと、もっとカワゆい写真をジャケや内ジャケにつかってほしかったです。アイドルなんだから、ねぇ。 (11/12/02)