Blue Lines ★★★★

Blue Lines

Massive Attack / Blue Lines

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このアルバム、もう10年以上まえなんですね。トリップ・ホップのオリジネーターでありもっとも偉大なグループであるマッシヴ・アタックももう10年選手。で、このあいだに彼らがリリースしたふつうの意味でのアルバムって何枚だと思います? 3枚ですよ、たった3枚! 寡作もはなはだしい。しかしマッシヴ・アタックの存在感ってアルバム3枚なんてものじゃ済まないんですよね。そのあたりが彼らの凄味であります。

さて、そんな彼らのデビュー作である本作。マッシヴ・アタックの最重要作となる一作。ですが、地味です。ひたすら。てゆうか、マッシヴ・アタックって、決して新奇なことや斬新なことはやってこなかったんですよね。基本的には、ダウナーなソウル・ミュージック、ダブ、レア・グルーブといったイギリスのクラブ音楽の伝統の延長線上にある。もっといえば、あきらかにソウルIIソウルの直系。しかし、91年には失速していたソウルIIソウルにはなかった何かがここにあるのです。が、それが何かと問われると答えに窮する自分がいます。うーん、なんだろ。非常に内向的なんだけど、同時に、決して耽美というところまではいかず、音楽というものへの真摯な姿勢が見てとれる。そのあたりのバランスが実に絶妙で、表面からきこえてくる音以上の深みがもたらされているのであります。

と、講釈たれたりしましたが、実はそんなに大好きなアルバムでもないという。 (11/10/02)