The Best Of The EMI Years ★★★★

Best of EMI Years

Manfred Mann / The Best Of The EMI Years

::★★★★::1996::EMI::pop::rock::
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1960年代の、ビートルズを頂点とするいわゆる「ブリティッシュ・インベイジョン」のムーブメントの中で、もっともソウルフルでエキサイティングだったのがこのグループなんではないでしょうか‥って、ブリティッシュ・インベイジョンに詳しくないくせに。でも、他を聴かずしてそう断言したくなるほどこのグループは熱いですね。熱くて、しかもクールです。今聴いてもカコイイ。このグループがカコイイのは、まず、グループの核がマンフレッド・マンというオルガン奏者だということに起因するでしょう。つまり、R&Bに影響を受けたロックンロール・グループの中でも、オルガン・ジャズやソウル・ジャズの影響が強いんですよね(といってもジャズっぽいわけではなく、やはりR&Bの色が強い)。そういう美意識?はグループのルックスにもあらわれてまして、全員非常におシャレで知的。ピチカートの小西氏なんかはこのあたりのファッションをお手本にしているんじゃないでしょうかね。と当ってなさそうな憶測を。それはともかく、このバンドはオルガンだけでなく、ボーカルのポール・ジョーンズもすばらしいですね。非常にホットで、ソウルフル、かつ白人っぽい声。「黒人っぽい」というにはあまりに声が白人っぽいのですが、白人っぽい声の中に隠しきれないソウルフルさがたちのぼるという図式が良いのです。このベスト・アルバムは1枚のCDに34曲も入っているという「限界に挑戦!」みたいなアルバムなのですが、ほとんどハズレ曲がないのがすごいですね。ただ、一方で、この音楽は「74分びっちり連続して聴く!」というふうにはできてないので、一気に全部聴くと疲れるのも確か。ぜいたくな意見ですが。 (10/18/02)