Bedtime Stories ★★★★

Bedtime Stories

Madonna / Bedtime Stories

::★★★★::1994::Maverick::pop::rock::
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マドンナの、ポップ・アイコンとしての頂点「Like A Prayer」(1989)と、よりカリスマ性をおびた他方の頂点「Ray Of Light」(1998)の、時期的にも内容的にもちょうど中間点にあたるアルバムだと言えるのではないでしょうか。ひとこと、非常に地味なアルバムです。ダラス・オースティン、ベイビーフェイス、デイヴ・ホール、ネリー・フーパーなどのプロデューサーが参加(もちろん曲も提供)してますが、全体的には、やはりオースティン、ホール、ベイビーフェイスの色が強いです。ということで、内容としてはかなりR&Bよりのスロージャムが中心ですね。しかもギラギラした感じではなくむしろ淡々としています。マドンナのボーカルも非常に丁寧に、メロディや歌詞をなぞるように歌われていて、のちの「Ray Of Light」で開花する、ある種宗教性をも感じさせるボーカル・スタイルの片鱗がはっきり見えます。ベスト・トラックはアイズリーズの「It's Your Thing」のリズムを土台にした「I'd Rather Be Your Lover」かな。ビヨーク&ネリー・フーパーによるタイトル曲のダークさも出色。あきらかに「Ray Of Light」の精神性の先駆けと言えましょう。というわけで、全体に、ひんやりとしつつ、どこか優しく暖かい、地味だけれども聴くほどに味がでる、そんな好盤です。 (10/14/02)