Introduction ★★★★

Introduction
イントロダクション

Mr. Fingers / Introduction

::★★★★::1992::MCA::club::house::
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■ ジャジー・ハウスの先駆的アルバムは驚くほど内向的

このアルバムは、リル・ルイスの「http://d.hatena.ne.jp/ghostlawns/20030401/p2:title=Journey with the Lonely]」(1992)とともに、「アルバム指向、かつホーム・リスニング指向のハウス」としてひとつの金字塔をたてたアルバムですね。Mr Fingersことラリー・ハードは、シカゴ・ハウスのオリジネーターのひとりですが、その後のハウスの流れをまったく意に介さないがごとく、もう、ずーーーーっと同じスタイルをかたくなにまもっている人として有名であります。で、ファンにはそれがたまらないと思うのですが、ぼくは、ラリー・ハードの、アンビエントというよりほとんどニューエイジに近い音世界があまり得意じゃないので、金太郎飴のような音世界にリスペクトはすれども、あまり聴かないわけです。しかし、このアルバムは良いんですよね。いままでラリー・ハードといえば、Finger Inc時代はロバート・オウェンズがボーカルだったし、ソロになってからはほとんどインストの曲ばかりで、自分でボーカルをとることはほとんどなかったんですが、このアルバムと次の「Back To Love」では全面的にハード自身がボーカルをとっています。で、つたない朴訥としたボーカルなんだけど、これがけっこう良いのです。特にこの「Introduction」は、音がどこか湿っていて、それがハードのなよっとしたボーカル、そしてある意味ブライアン・ウィルソン並みにいじいじした歌詞とがみごとにマッチ。「ヒッキーのハウス・ミュージック」というものがあるとすれば、まさにこれ!なのであります。と、ほめてんだかけなしてるんだか。いやほめてるんですけどね。曲も良いです。 (10/12/02)