Autobahn ★★★★

Autobahn

Kraftwerk / Autobahn

::★★★★::1974::Philips::rock::pop::techno::
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ドイツのエレクトロ・オリジネーターであるクラフトワークの前「ヨーロッパ特急」時代の代表作。なんというか、「ヨーロッパ特急」以降の硬質なエレクトロ・サウンドと違い、この作品の音はどこかほんわかして、より人間味あふれる感じです。まあ、一言でいえば、テクノロジーが「マシンでガシガシ!」といったサウンドをつくりだすほど発達してなかったということなのでしょうね。なんつっても1974年だもんね! この時代からエレクトロでテクノなものをめざしていたクラフトワークはえらい。で、このアルバムですが、A面23分近くをしめるタイトル・チューンがなんといっても白眉。「ヨーロッパ特急」は鉄道でしたが、「Autobahn」は車ですよ(念のため、Autobahnはドイツの制限速度なしの高速道路)。でもスピードびゅんびゅんというより、昭和50年代にデパートの屋上にあったドライブ・ゲームみたいな趣きです。ほら、あったでしょ、道路自体がうごいて、ミニカーみたいな車をハンドルで操作する、超原始的なゲーム。ファミコンがなかった時代の。って今の若者が知るはずもないか‥。つまり、まあ、そういう感じです。原始的。実際のドライブじゃなくて、ドライブのシミュレーション、しかもチープな。ちなみに、ビーチ・ボーイズの「Fun Fun Fun」をもじったメロディがときおり挿入されるのもホノボノ。23分間の楽しいドライブです。デパートの屋上のドライブ・ゲームは2分ぐらいしか続かなかったけどね。 (10/10/02)