African Space Craft ★★★★

アフリカン・スペース・クラフト

Keziah Jones / African Space Craft

::★★★★::1995::Virgin::pop::rock::
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アメリカでは少々無名なキザイア・ジョーンズ。アフリカ、ナイジェリア出身で、イギリスで教育を受けた彼は、アコースティック・ギター片手に路上で歌を歌っていたところをみいだされたそうな。とにかく、おどろくほどリズム感あふれるアコギのプレイが印象的なジョーンズですが、このセカンドアルバムでは、大幅にエレクトリック化しているというか、これはエレキ・ギターなのか、いや、アコギまたはセミアコをワウやディストーションで電気的にひずませているような気がする。で、かなりハードロック化しているということで、前作のアコギの「生」の良さを評価していた人に評判があまり良くなかった記憶があります。しかし、前作(といってもぼくはちゃんと聴いてないんだけど)にこだわらなければ、このアルバムは実にタイトでハードで鋭くファンキーなハード・ロック作品となってます。てゆーか、相当かっこいい。プロデューサーはバッド・ブレインズなどの仕事で有名なロン・セイント・ジャーメイン。ということで、ジャーメインらしい非常に硬質かつ音の隙間を大切にしたヘヴィーな音づくりです。ドラム、ベース(その名もSoul)、そしてキザイアのギター&ボーカルという最小限のトリオ編成でゴリゴリ押してきます。ドラムのタイトなリズムもいいし、あとなんといっても、このSoulという人の、どファンキーかつハードなベースがすばらしいです。かなり荒削りで暴力的、かつファンキーなキザイアのギターももちろん良いです。メロディがふつうの白人や西欧の黒人と違うんですよね。微妙に。そのあたりはアフリカなのか。とにかく、強力な一枚。 (9/17/02)