Doc Scott presents: Certificate 18's Hidden Rooms Volume 03 ★★★★★

Doc Scott / Presents: Certificate 18's Hidden Rooms Volume 03

::★★★★★::2001::Certificate 18::club::d&b::
iTS US / iTS JP(→iTSについて

イイ! メタルヘッヅでの仕事が有名な、ベテラン・ドラムンベースDJの編集による2枚組なんで、1枚目がnon-mixed、2枚目がmixed。で、なにがいいかって、1枚目1曲目のKlute「Phone Call」(Matrix remix)がいい! 静寂に響くシンセのフレーズに、透明感と影のある女性ボーカルが乗り、そしてひたひたとビートが近付いてくる。流れるようなビートと、雰囲気のあるボーカルの組み合わせが本当に良い感じで、こんな良いドラムンベースの歌ものの曲もひさしぶりだなぁ。で、アルバムの残りがこの流麗な雰囲気を継承した選曲になっているのがうまい。全曲がこの1曲目に匹敵する出来だというわけではないのですが、なんというか、流れで一気にきかせてしまうんだな。

収録されているアーティストは、KlutePolarLexis、Teebee、Mainlineといった新世代の人たちばかり。TechStepの流れにあるんだと思うけど、ビートが軽めでファンキーなのが特徴でしょうか。KluteことTom Withersの曲がやっぱりいい。この人はPhume名義でも曲を出していて、Phumeはその名前の通り(fume=煙)、浮遊感のあるミニマルで軽いビートをベースにした若干実験的な作風が特徴だったんだけど、Kluteはもっとテクノよりですね。冒頭の出色の「Phone Call」の他、3曲目の「We R The Ones」の流麗でファンキーでどことなく変態的なビートがいい。Polarの曲も実験的で独特の作風およびビートで、Kluteと同じぐらい良い。

2枚目のミックスCDのほうですが、1枚目とほとんど曲の重複がないのが、この手の2枚組CDにしてはめずらしいというか良心的というか。ちょっと単調かな‥間にちょっとぐらいボーカルサンプリングものをまぜても良かったかなと思うのですが、手堅くきれいにまとまったDJミックスです。曲単位ではPolarの曲がやっぱり頭ひとつ抜けている感じ。Mainlineの曲もいい。というわけで好盤。ジャケットもとても良いっす。 (5/21/02)