Songs ★★★

SONGS 30th Anniversary Edition

Sugar Babe / Songs

::★★★::1975::Eastwest::pop::rock::jp::
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山下達郎(と大貫妙子)のプロキャリアの第一歩のバンドとして有名なシュガーベイブの唯一のアルバム。いわゆる「日本ロック・ポップスの古典的名盤」というやつです。当時は「垢抜け過ぎていてほとんど売れなかった」といういわくつき。山下氏も、「ホーンセクションの人たちに<はねるように演奏して>と頼んでも分かってもらえなかった」というようなことを言っており、ファンキーだのグルーヴィーだの言うこととは無縁のフォーク時代の日本の音楽シーンの中で苦労したんだろうなぁということがうかがえます。で、内容ですが、ほんとに山下達郎の音楽というのは最初から完成されていたんだなぁ、という、そういう内容。冒頭の「Show」や後に有名になった「Downtown」など、どこからどう聴いても完成しきった山下達郎節です。「今日はなんだか」あたりは、渋谷系(死語)的にアシッドジャズ的にファンキーで、こういう軽妙さはシュガーベイブならではか。でも、歴史的意義を除外すると、演奏は全体的にはしょぼいと思います‥って、そんなこと言ったら殺されるか。村松邦男のギターはけっこう渋くて良いんですけどね。ドラムとベースのリズム隊がいかんせんアマチュアっぽい‥てゆうか、録音のせいかもしれませんけど。前述したホーンのしょぼさは言うまでもなく。比べるな!と言われそうですが、シュガーベイブに大きな影響を与えたアイズリーブラザーズなんかと比べると、しなやかさが全然ない。いや、この時代の日本でこれはすごいですよ。でも、それは相対的にという問題であって、絶対的にみれば、このぎくしゃくした演奏でグルーヴがどうのこうのなんて言えないんじゃないかな。ちなみにこのCDは未発表バージョンと貴重なライブ音源が収録されていて、鬼気迫るぐらいにオタクな曲世界をきかせてくれる大貫妙子の「愛は幻」が良いです。無理やりなコード展開が若気のいたりっぽくてナイス。

でもまあ、思い入れはないんで、歴史的価値(★★★★★)を思いっきり無視して★★★。 (5/5/02)