絶頂集 ★★★★

絶頂集

椎名林檎 / 絶頂集

::★★★★::2000::Toshiba EMI::pop::rock::jp::
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椎名林檎の3枚組シングル集。3枚組シングルというのはいいんだけど、8cmシングルで出すなやゴルァ!おれのパソコンで聴けないやないか!と思うのですが、それはともかく。1曲をのぞきいずれも未発表曲で、3枚組のうち2枚はライブです。で、全体的には、いろんな意味でアウトテイク集っぽいなぁ〜と思わざるをえません。順番に感想を言うと、1枚目はライブ3曲。3曲目は「同じ夜」のライブバージョンですが、スタジオ版より良いとか言うことは特になし。1曲目の「やっつけ仕事」はところどころ光るところのある(特に間奏直後のサビ)佳曲です。でも地味。2枚目はスタジオ曲で、いずれもいつものハードロック風味で新味もないし地味。まぁ、ボツ曲だからこそこうして3枚束にして売られているのでしょうが。で、3枚目ですが、これがなかなかおもしろかった。ライブなんですけど、メンバーがほとんど女性でしめられていて、婉曲的ですが、女性の生理的感覚というものが吐露されたような3曲が収録されてます。この3曲は音質もこもっていてあまり良くなく、企画ライブを録音したものだったのかなと想像されますが、このしょぼさが新鮮! なんてゆーか、80年代の、ビジュアル系に毒されるまえの日本のインディーズロックっぽい雰囲気ですよ。演奏もローファイかつ味のあるものだし、歌詞もとてもいいです。いやはや、この路線とても良いです。正直、椎名林檎ってアルバム2枚で完成されきっているところがあって、そこが不満なところでもあるんですが、こういう強さも弱さもむきだしなったようなローファイ未完性路線で次行ってくれないかなと勝手なこと思ったりします。レコード会社は絶対許さないと思うけど、この3枚目のライブみたいな、カラオケにむいてなさそうなアルバムをぜひ作ってほしいなぁ。 (2/2/02)