Learning Curve ★★

Learning Curve

DJ Rap / Learning Curve

::★★::1999::Columbia::club::pop::rock::electronica::
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DJ Rapといえば、すでに中堅のドラムンベースDJであり、数はあまり多くない「オリジナル・ジャングリスト」の一人と言って良いと思う。その作風およびDJスタイルはひとことでいえばハードステップ系であり、ぼくは彼女がボストンにDJに来たのを体験したことがあるが、そのときもやはりかなりハードコアなドラムンベース中心であった。そんなRapのメジャーからのアルバムであるが‥これがちっともドラムンベースじゃない。しかもほぼ全曲Rap自らボーカルをとっていて、うーん、アーティスト名が「DJ Rap」とあるけど、これだと「Musician Rap」か「Singer Rap」って感じだよなぁ。音の方も、ふつうのダークなミディアムテンポのエレクトロニカ・ポップという感じで、正直、1999年ものにしても、新しさもあまりないです。Rapのボーカルは、マドンナっぽいというか、甘い感じで悪くないけど特筆すべきものでもないし。ただ、これは「ポップアルバム」のアプローチではあるけど、ポップアルバムにしてはハードで、そのあたりを中途半端と見るか、かすかなRapらしさと見るか、意見が分かれるところかも。ラストはデレク・メイの古典「Strings Of Life」をアコギで再現した曲だけど、これも、なんだかなぁ。6曲目の最後でドラムンベースになるところはなかなかカッコよくて、やっぱポップをやるにしてもドラムンベース寄りでやってほしかったな。小さな音で聴くとつまらないアルバムだけど、大音量で聴くと、低音部がけっこう強力で気持ちいい。 (11/26/01)