INCredible Sound of Drum'n'Bass ★★★★

Incredible Sound of Drum &

Goldie (in the mix) / INCredible Sound of Drum'n'Bass

::★★★★::1999::Ovum/Ruffhouse::d&b::
iTS US / iTS JP(→iTSについて

ドラムンベース歴史の中で最も重要な役割を果たしたキイパーソンといえば、メタルヘッヅ主催者のゴールディーしかないと思うのですがが、最近は活動があまりきこえてこないですね(後註:と思ったらMixアルバムがでましたね)。90年代半ばで完成されていた人だし、ドラムンベース・シーンも次世代に突入したということなのでしょう。この1999年の、ゴールディーによる2枚組ミックスCDも、往年のメタルヘッヅの世界であり、1999年の段階でも「最先端」という感じではありませんでした。2枚のCDはそれぞれ「Spektrum」「Retro」と名付けられており、このタイトルだけ見ると、片方がクラシックもので片方が最先端ものかなと思うのですが、たしかに「Retro」の方が古い曲が多いものの、「Spektrum」にも1993年や1995年、1996年の曲が入っているし、また、聴いてみた感じもはっきり言って大差ないです。このレトロ指向は、ゴールディーがすでに終わりつつある時代の側の人だったということをしめしていると言えるかもしれません。

しかし、最先端かと言うことと内容の善し悪しは基本的に関係ないのでありまして。かなり素晴らしいっす。時代を超えて良い内容。全然古くないです。特に、1995年以前の(つまり、「ドラムンベース」が一般に認知される以前の)真の古典的チューンが良いっす。Doc Scott / Here Come The Drums (1993)、Dark Angel (1993)、Goldie / Terminator (1993)、Goldie / Manslaughter (1994) あたり。特に、Doc Scott / Dark Angelがカコイイっす! なんというか、「ハードコアテクノ」と呼ばれていたハードコアというよりイケイケなテクノハウスの名残りであるアホっぽいシンセが前面にでている曲で、リアルタイムで聴いたらたぶん拒否反応をおこしそうな曲だけど、今聴くと変態的でカコイイ。メタルヘッヅ・レーベルの曲はとかくアート的なのが多いだけに、この馬鹿馬鹿しい突抜方はなかなか新鮮。あと、Hospital Recordsからの曲(London Elektricity / Dirty Dozen)がファンキーかっこいい。メタルヘッヅの音ではないけど。 (11/26/01)