Aaliyah ★★★★

Aaliyah (Dig)

Aaliyah / Aaliyah

::★★★★::2001::Blackground::r&b::
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長らく待たれていた5年ぶり、三作目となるアリーヤのこのアルバムは残念ながら遺作となってしまいました。追悼の意は上のメモに譲るとして、ここでは内容のみにコメントしたいと思います。

5年のブランクということですが、そんな長いブランクが許されるのもアリーヤぐらいのものでしょう。もっとも、その間にもティンバランドと組んだ「Are You That Somebody?」(1998)、「Try Again」(2000)、「I Don't Wanna?」(2000)などのヒット曲を出していただけに、アリーヤの存在感はシーンから消えることはなかったといえます。で、待望の本作ですが、上記のヒット曲が一切収録されていないことに軽い驚きを感じます。すでにヒットした曲に頼らないというのは、自信のあらわれなのでしょう。ティンバランドの手掛けた曲は3曲のみ(隠しトラックもティンバか?)と少なめですが、変態R&Bサウンドの王者ティンバの曲はメロウさに欠けるきらいがあるので、これぐらいのバランスは正解かもしれません。3曲のみといっても、アルバムの1曲目をはじめ、3曲とも前半に収録されており、ティンバの存在感はかなり大きく感じます。特に、オープニングなんて、最初のコンマ1秒でティンバランドだとわかるティンバ・サウンドで、収録曲数は少なくてもインド料理の香料のように後を引く存在感はさすがです。

というわけで、このティンバの3曲はアルバムのハイライトと言えるのですが、他の曲もまったくもって悪く無い。最近はR&Bはまったくフォローしてないのでどういうひとたちかは知らないのですが、大半の曲のプロデュースのクレジットはRapture & E.SeatsかBud'daとなっています。特に前者のてがける曲のメロウさがとても良い。結果、アルバム前半(特に7曲目まで)は非常にクォリティーが高く、捨て曲が全然ありません。後半は少々テンションが落ちるように思うけれど、それほど気になりません。

アリーヤのボーカルは線が細く、ボーカル単体で聴かせるタイプではありませんが、静かなたたずまいながらスター性をたたえていて好ましいものです。好アルバム。 (8/26/01)